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レッツ・ダンス

フィギュアスケートの話です。 書き始めたばかりなので、温かく見守ってください。


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アクセル!/レッツ・ダンス(#8)

アキラが紙袋から赤のサインペンを出す。
「教科書の分からない所には赤ペンで下に線を引く」
青のマーカーを取り出し、
「教科書の分かったところはこれで塗る。分からないところは、友達や先生、小松ちゃんに聞け。分かったら、これで塗る。教科書を青で塗りつぶすんだ。ノートはいらない。教科書にのっていないことは、教科書に書き込め。勉強は教科書だけでいい」
「それだけ?」
「お前、フィギュアスケートしたいんだろ。勉強ばっかりして、どうする。どっちも50本買ってある。それからこれだ」
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体はコントロールできる/レッツ・ダンス(#7)

施設の庭でアキラが優にこれからすべきことを教えている。
「優にはフィギュアスケートの才能があるかもしれないし、ないかもしれない。もし才能があるとしても、ライバルにも必ず才能のある奴等がいる。そいつらとどう戦う?たくさん練習する?時間は全ての人に平等だ。優と同じだけ練習されたらどうする?一つは練習方法を工夫することだ。そのためには、体の仕組みや力のことを知らなきゃいけない。理科を勉強して、体育をしっかりやれ。効果的な練習方法を見つけるんだ。頭を使った奴の勝ちだ」
頷く優。

アキラ兄(にい)/レッツ・ダンス(#6)

「施設に入ってすぐに小学生になって、一輪車が並んでいるのを見たときは嬉しくってピョンピョン跳ねちゃったよ」
「はいはい、バランスの訓練ね」
「そう、その通り。小学校で時間があれば、一輪車やってた。後は、飛び降りたり、その場で跳び上がって回転したりとか、短距離ダッシュを何度も繰り返したりとか、そんなことばっかりやってたよ。全然勉強しなかったからひどい成績だったな。二年生まではそれでもよかったんだけど、三年になっても変わらないから、心配した小松ちゃんがアキラ兄(にい)を呼んだんだ」
「家庭教師?」
「施設の先輩で、天才」

飛び降りる/レッツ・ダンス(#5)

「小松ちゃーん!」
小学校低学年の子供たちが外から転がるように入ってきた。
「どうしたの?」
小松と呼ばれた温厚そうな中年の女性が子供たちにゆっくりと尋ねた。
「あのね、あのね、優ちゃんが飛ぶの」
「違う、違う。優のバカが落ちる」
「えと、えと」

アヤメと優/レッツ・ダンス(#4)

スケート場のレストランでジャージを着た少年と少女がジュースを飲みながら話をしている。二人とも幼い顔をしているが、座っていてもかなり長身なのが分かり、脚もすらりと長い。
「あのオリンピックを生で観たなんて、羨ましいわ」
「本田さんはエキジビジョンの間、各選手の個性、武器、演技のポイントを俺に教えてくれた」
「エキジビジョンの最後はトゥクタミー選手だったよね」

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