レッツ・ダンス
フィギュアスケートの話です。 書き始めたばかりなので、温かく見守ってください。
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アクセル!/レッツ・ダンス(#8)
アキラが紙袋から赤のサインペンを出す。
「教科書の分からない所には赤ペンで下に線を引く」
青のマーカーを取り出し、
「教科書の分かったところはこれで塗る。分からないところは、友達や先生、小松ちゃんに聞け。分かったら、これで塗る。教科書を青で塗りつぶすんだ。ノートはいらない。教科書にのっていないことは、教科書に書き込め。勉強は教科書だけでいい」
「それだけ?」
「お前、フィギュアスケートしたいんだろ。勉強ばっかりして、どうする。どっちも50本買ってある。それからこれだ」
「教科書の分からない所には赤ペンで下に線を引く」
青のマーカーを取り出し、
「教科書の分かったところはこれで塗る。分からないところは、友達や先生、小松ちゃんに聞け。分かったら、これで塗る。教科書を青で塗りつぶすんだ。ノートはいらない。教科書にのっていないことは、教科書に書き込め。勉強は教科書だけでいい」
「それだけ?」
「お前、フィギュアスケートしたいんだろ。勉強ばっかりして、どうする。どっちも50本買ってある。それからこれだ」
アキラは金のマーカーを取り出した。
「教科書で、これはフィギュアスケートに役立つと思ったら、これで印をつけろ。これは10本だ。そして、これが最後」
袋から自由帳が取り出された。
「ここに技とかどういう風に滑るとかを描くんだ」
アキラがペンを取り出して1ページ目に描き始める。
「ページがリンクだ。手前が審判員席。自分は針金人間で描く。ここから始めて、こっちに滑るってのは矢印で描いて、ここでステップ入れるときは、ステップの印を書いて、回る方向はこうクルッと矢印書いて、こっちにクルッと四回転ルッツ、こっちにクルッと四回転ループってな感じだ。10冊あるから、お前の世界をつくれ。以上、おしまい。授業中にはやるなよ。ほれ」
アキラは優に紙袋を渡した。
「アキラ兄は、僕がフィギュアスケートの選手になりたいってことを笑わないんだね」
「俺は優のことをリスペクトしている」
「?」
「すごい奴だと思ってるってことだ。目標に向かって工夫したり努力しているんだ。優は偉いよ。俺はリスペクトすることを大事な人から学んだ。優もリスペクトする様にしろ。そうすれば、色々なことが見えてくる。そろそろ帰るか。じゃ、小松ちゃんによろしく!」
「待って」
立ち去ろうとするアキラを止めようとして、優はアキラの左手をつかんでギョッとする。
「驚いたか。機械の手だ。不便なもんだよ。いいか、怪我はするな。怪我は全ての歯車を狂わせていく。怪我をするぐらいだったら、こけちまえ。無理はするな。優のジャンプの練習は正解だ。体全体の柔らかさを保て。きっと、美しい動きができる。じゃあな」
「待って、また会える?」
「どうかな。会いたくなったら、小松ちゃんに言ってくれ。もし俺が来なかったら、死んじゃったんだと思ってくれ。俺が優に会わない理由はそれぐらいしかない」
アキラは、笑顔で優の頭を撫でる。去っていくアキラをじっと見送る優。門のところでアキラは左足で高くジャンプした。左足で着地して、今度はさっきよりも高く跳び上がりながら回転し、優の方を見て右足でふわりと着地した。アクセル!その美しい動きに優は息を飲んだ。アキラはいたずらっ子の様にニヤリと笑うと、踵を返し、背中ごしに手を振って去って行った。
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「教科書で、これはフィギュアスケートに役立つと思ったら、これで印をつけろ。これは10本だ。そして、これが最後」
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アキラは優に紙袋を渡した。
「アキラ兄は、僕がフィギュアスケートの選手になりたいってことを笑わないんだね」
「俺は優のことをリスペクトしている」
「?」
「すごい奴だと思ってるってことだ。目標に向かって工夫したり努力しているんだ。優は偉いよ。俺はリスペクトすることを大事な人から学んだ。優もリスペクトする様にしろ。そうすれば、色々なことが見えてくる。そろそろ帰るか。じゃ、小松ちゃんによろしく!」
「待って」
立ち去ろうとするアキラを止めようとして、優はアキラの左手をつかんでギョッとする。
「驚いたか。機械の手だ。不便なもんだよ。いいか、怪我はするな。怪我は全ての歯車を狂わせていく。怪我をするぐらいだったら、こけちまえ。無理はするな。優のジャンプの練習は正解だ。体全体の柔らかさを保て。きっと、美しい動きができる。じゃあな」
「待って、また会える?」
「どうかな。会いたくなったら、小松ちゃんに言ってくれ。もし俺が来なかったら、死んじゃったんだと思ってくれ。俺が優に会わない理由はそれぐらいしかない」
アキラは、笑顔で優の頭を撫でる。去っていくアキラをじっと見送る優。門のところでアキラは左足で高くジャンプした。左足で着地して、今度はさっきよりも高く跳び上がりながら回転し、優の方を見て右足でふわりと着地した。アクセル!その美しい動きに優は息を飲んだ。アキラはいたずらっ子の様にニヤリと笑うと、踵を返し、背中ごしに手を振って去って行った。
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