レッツ・ダンス
フィギュアスケートの話です。 書き始めたばかりなので、温かく見守ってください。
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エステファン・ランビエール/レッツ・ダンス(#36)
スイスのスケートリンク。均整のとれた体の上に彫りの深い男らしい整った顔に黒髪。見ている方までピシッとしてしまうほど綺麗な姿勢で立っている。エステファン・ランビエール。フィギュアスケート界のキングと呼ばれている男だ。本田の横に立つ優を不思議そうに見ている。
「彼にそれほどの価値があるのか?」
「ああ、キングのスケーティングを間近で見る資格がある」
「証明してもらおうか」
「あんたもか。キングらしく大盤振る舞いしてくれよ」
「私は慎重な王なんだ」
「分かった。優、体を温めろ」
優が滑り出した。ぐんぐんとスピードを上げていき、いつものようにすってーんと転ぶ。笑顔で立ち上がり、また滑り出す。エステファンは真剣な眼差しで優の滑りを見つめている。
「なるほど、面白い」
「ジョニー、ケヴィンに会ってきたが、優の滑りに感心したのは、あんだだけだよ」
「彼にそれほどの価値があるのか?」
「ああ、キングのスケーティングを間近で見る資格がある」
「証明してもらおうか」
「あんたもか。キングらしく大盤振る舞いしてくれよ」
「私は慎重な王なんだ」
「分かった。優、体を温めろ」
優が滑り出した。ぐんぐんとスピードを上げていき、いつものようにすってーんと転ぶ。笑顔で立ち上がり、また滑り出す。エステファンは真剣な眼差しで優の滑りを見つめている。
「なるほど、面白い」
「ジョニー、ケヴィンに会ってきたが、優の滑りに感心したのは、あんだだけだよ」
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ジャンプのクオリティ/レッツ・ダンス(#35)
「お前にないものが分かったか?」
「腕の動き」
「それと表情だ。ちゃんと見たか?」
「見たよ。王子様みたいだった」
「そう、あの笑顔だ」
「俺もいつも笑顔だよ」
「お前のは楽しくて笑ってるだけだ。ケヴィンのは演技だ。プログラムに合わせて表情を変えてくる。ジャンプが違和感なくプログラムの表現にとけ込んでいく。それがケヴィンが言うジャンプのクオリティだ。必死の形相をしなければ跳べないようなジャンプをケヴィンは跳ばない」
ケヴィンが二人の所へ戻ってきた。
「腕の動き」
「それと表情だ。ちゃんと見たか?」
「見たよ。王子様みたいだった」
「そう、あの笑顔だ」
「俺もいつも笑顔だよ」
「お前のは楽しくて笑ってるだけだ。ケヴィンのは演技だ。プログラムに合わせて表情を変えてくる。ジャンプが違和感なくプログラムの表現にとけ込んでいく。それがケヴィンが言うジャンプのクオリティだ。必死の形相をしなければ跳べないようなジャンプをケヴィンは跳ばない」
ケヴィンが二人の所へ戻ってきた。
ケヴィン・レイノルズン/レッツ・ダンス(#34)
「ケヴィン、お前、性格悪くなったんじゃないか」
「違うって。僕は若い才能をつぶしたくないんだ」
「たくもう、小生意気になりやがって。こいつのジャンプ見てから言え」
「へえ、そりゃ楽しみだ」
「違うって。僕は若い才能をつぶしたくないんだ」
「たくもう、小生意気になりやがって。こいつのジャンプ見てから言え」
「へえ、そりゃ楽しみだ」
侍スピナー/レッツ・ダンス(#33)
アメリカのアイスリンク。ジョニー・ウィアードの練習を観ている優と本田。本田がジョニーの練習について思うところを優に話し、優は頷いている。二人の横に巨漢の男が現れた。男を見たジョニーの顔がパッと明るくなり、一気に滑ってくる。
「ボーロー!迎えに来てくれたのね」
ジョニーはボーローにしがみつくように抱きついた。そんなジョニーをボーローは優しく包むように抱く。
「あ、そうそう、本田は知ってるわよね」
「ああ、久しぶり、本田」
ボーローは本田と握手した。
「でね、この子がすごいの!」
「?」
「侍スピナー」
「ほう、そりゃすごそうだ」
「そうだ!四人で食事しましょう!」
「悪い。飛行機の時間があるんだ」
「あら!?日帰り?」
「カナダに行く」
「なるほど。じゃあ、空港でお食事会ね。さあ、行きましょ、ボーロー」
「俺、バイクで来ちゃったよ。四人は無理だ」
「本田たちはタクシーで行けばいいわよ」
ジョニーはボーローの腕にしがみつきながら引っ張っていく。
「ボーロー!迎えに来てくれたのね」
ジョニーはボーローにしがみつくように抱きついた。そんなジョニーをボーローは優しく包むように抱く。
「あ、そうそう、本田は知ってるわよね」
「ああ、久しぶり、本田」
ボーローは本田と握手した。
「でね、この子がすごいの!」
「?」
「侍スピナー」
「ほう、そりゃすごそうだ」
「そうだ!四人で食事しましょう!」
「悪い。飛行機の時間があるんだ」
「あら!?日帰り?」
「カナダに行く」
「なるほど。じゃあ、空港でお食事会ね。さあ、行きましょ、ボーロー」
「俺、バイクで来ちゃったよ。四人は無理だ」
「本田たちはタクシーで行けばいいわよ」
ジョニーはボーローの腕にしがみつきながら引っ張っていく。
ジョニー・ウィアード/レッツ・ダンス(#32)
アメリカのアイスリンク。ショッキングピンクのジャージで滑っているスレンダーな男性。顔は上品に化粧されており、女性のように美しい。スケーティングは男性らしく力強いが、その身のこなしは艶かしく美しい。
「ジョニー・ウィアードだ!」
リンクサイドで優が目をキラキラ輝かせながら叫んだ。ジョニーは優の隣に立つ本田の前まで滑ってきて、ポーズをとる。
「おー!」
優が賞賛の目でジョニーを見ながら拍手した。
「お久しぶり、本田。私に会わせたいってのはこの子?」
「その通り」
ジョニーが横目で優を見る。
「おー!」
優が再び拍手する。
「なかなかいい子ね」
「ジョニーの滑りを生で見せたいんだ」
「分かったわ。しっかりと目に焼き付けなさい、坊や」
ジョニーが優にウインクして、滑り出した。力強い滑り、美しく艶かしい動き、そして高速のビールマンスピンへ。滑り終えてお辞儀するジョニー。優が大きな拍手をする。ジョニーが優の前に滑ってきた。
「次はあなたの番よ」
優が本田を見る。
「お前のビールマンを見せてやれ。それだけでいい」
ニッコリと笑う優。
「ジョニー・ウィアードだ!」
リンクサイドで優が目をキラキラ輝かせながら叫んだ。ジョニーは優の隣に立つ本田の前まで滑ってきて、ポーズをとる。
「おー!」
優が賞賛の目でジョニーを見ながら拍手した。
「お久しぶり、本田。私に会わせたいってのはこの子?」
「その通り」
ジョニーが横目で優を見る。
「おー!」
優が再び拍手する。
「なかなかいい子ね」
「ジョニーの滑りを生で見せたいんだ」
「分かったわ。しっかりと目に焼き付けなさい、坊や」
ジョニーが優にウインクして、滑り出した。力強い滑り、美しく艶かしい動き、そして高速のビールマンスピンへ。滑り終えてお辞儀するジョニー。優が大きな拍手をする。ジョニーが優の前に滑ってきた。
「次はあなたの番よ」
優が本田を見る。
「お前のビールマンを見せてやれ。それだけでいい」
ニッコリと笑う優。