レッツ・ダンス
フィギュアスケートの話です。 書き始めたばかりなので、温かく見守ってください。
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世界一女性らしいスケーティング/レッツ・ダンス(#26)
本田が一人リンクに立っていた。優がジャンプを決めた辺りをじっと見ている。本田は滑り出し、その場所で跳んだ。キレイに四回転ルッツを決め、コンビネーションにしようとジャンプするが、一回転もできずに着地し、そのまま勢いで滑っている。
「無理だ」
再び集中力を高め、今度は慎重に跳び上がり、右脚を前に振り上げてから後ろに降り戻す。本田はうつ伏せに着氷してしまう。
「無理だ。やっぱ、あいつ凄い。世界と闘えるじゃないか。惜しいな…なんとかならないかな」
「無理だ」
再び集中力を高め、今度は慎重に跳び上がり、右脚を前に振り上げてから後ろに降り戻す。本田はうつ伏せに着氷してしまう。
「無理だ。やっぱ、あいつ凄い。世界と闘えるじゃないか。惜しいな…なんとかならないかな」
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俺はアヤメと世界を目指す/レッツ・ダンス(#25)
「お前、あれ…」
本田は優のコンビネーションジャンプに絶句していた。優はそんな本田を見て、ニコニコしている。
「インフィニティ」
「何だ、それ?」
「ジャンプの名前だよ」
「まいったな、これは。優、俺がお前のコーチをする。世界を目指そう」
「?」
「優が小さいときに約束したじゃないか。大きな大会に出るときは俺がコーチするって」
「俺、アイスダンスすることにしたんだ」
「!?」
「ジャンプ、力強くて、とってもかっこよかった。シングルやった方がいいよ」
「決めたんだ。アヤメと滑る方が絶対楽しい」
「そう言ってくれるのは嬉しいけど、もったいないよ。本田さんと世界を目指せるんだよ」
「俺はアヤメと世界を目指す」
本田は優のコンビネーションジャンプに絶句していた。優はそんな本田を見て、ニコニコしている。
「インフィニティ」
「何だ、それ?」
「ジャンプの名前だよ」
「まいったな、これは。優、俺がお前のコーチをする。世界を目指そう」
「?」
「優が小さいときに約束したじゃないか。大きな大会に出るときは俺がコーチするって」
「俺、アイスダンスすることにしたんだ」
「!?」
「ジャンプ、力強くて、とってもかっこよかった。シングルやった方がいいよ」
「決めたんだ。アヤメと滑る方が絶対楽しい」
「そう言ってくれるのは嬉しいけど、もったいないよ。本田さんと世界を目指せるんだよ」
「俺はアヤメと世界を目指す」
氷と遊んでるのかも/レッツ・ダンス(#24)
優とアヤメがスケート場のレストランで話している横を本田が通りかかる。
「よう、優」
「ちわっす」
優は立ち上がって、軽く頭を下げる。アヤメも慌てて立ち上がり、ぺこりと頭を下げた。
「お前、ほんとでかくなったな」
「本田さんが縮んだんじゃないですか」
「なわけないだろ。そういえば、お前こないだの大会さぼったんだって?敵前逃亡は銃殺だぞ」
「あんな奴ら敵じゃないよ」
「口ではなんとでも言えるさ。偉そうなことは結果を出してから言え」
「じゃあ、見せてやるよ」
「リンクに行こう」
「よう、優」
「ちわっす」
優は立ち上がって、軽く頭を下げる。アヤメも慌てて立ち上がり、ぺこりと頭を下げた。
「お前、ほんとでかくなったな」
「本田さんが縮んだんじゃないですか」
「なわけないだろ。そういえば、お前こないだの大会さぼったんだって?敵前逃亡は銃殺だぞ」
「あんな奴ら敵じゃないよ」
「口ではなんとでも言えるさ。偉そうなことは結果を出してから言え」
「じゃあ、見せてやるよ」
「リンクに行こう」
優は体力の続く限り踊りつづけた/レッツ・ダンス(#23)
「探したぞ。さあ、帰ろう」
「イェッサー!」
ハズムはラジカセを持ちあげて、曲をとめた。
「俺、明日までここにいるんだけど、明日も会えるかな」
「ソーリー。私もここの人じゃないんだ。明日からUSA」
「USA…」
「日本に残れるかと思ってここに来たんだけど。だめだった」
「娘は望みが高いから」
ハズムはパパの胸にパンチを入れる。
「えらく機嫌がいいな」
「この子、優!ダンス、ヘタだけど、どんどん上手くなるし、とっても楽しんでてキラキラ輝いて見えるんだ」
「そうか、パパも見たかったな」
ハズムがラジカセを下ろそうとすると、
「ダメダメ。もう帰るよ」
「ガッデム」
「やめなさい」
「イェッサー」
「優!シー・ユー!」
ハズムはパパの腕にしがみついて去っていく。
「ハズム!またどこかで!」
ふわりと振り返ったハズムが妖精のように見えた。
「ユー!絶対だぞ!」
「絶対だ!」
ハズムはウインクをして、去っていった。優はハズムが去った後をじっと見ていた。彼には踊っているハズムの姿が見えていた。優は体力の続く限り踊りつづけた。
「イェッサー!」
ハズムはラジカセを持ちあげて、曲をとめた。
「俺、明日までここにいるんだけど、明日も会えるかな」
「ソーリー。私もここの人じゃないんだ。明日からUSA」
「USA…」
「日本に残れるかと思ってここに来たんだけど。だめだった」
「娘は望みが高いから」
ハズムはパパの胸にパンチを入れる。
「えらく機嫌がいいな」
「この子、優!ダンス、ヘタだけど、どんどん上手くなるし、とっても楽しんでてキラキラ輝いて見えるんだ」
「そうか、パパも見たかったな」
ハズムがラジカセを下ろそうとすると、
「ダメダメ。もう帰るよ」
「ガッデム」
「やめなさい」
「イェッサー」
「優!シー・ユー!」
ハズムはパパの腕にしがみついて去っていく。
「ハズム!またどこかで!」
ふわりと振り返ったハズムが妖精のように見えた。
「ユー!絶対だぞ!」
「絶対だ!」
ハズムはウインクをして、去っていった。優はハズムが去った後をじっと見ていた。彼には踊っているハズムの姿が見えていた。優は体力の続く限り踊りつづけた。
ユーの目が踊りたいって言ってる/レッツ・ダンス(#22)
スケート場のレストランで話をしている優とアヤメ。
「すごいじゃない。専用リンクを持ってるなんて」
「アキラ兄には感謝してるよ。好きなだけ滑ることができたんだから。吉村さんは俺の上達具合を見て、バッジテストの手配をしてくれた。バッジテストは問題なく通り、ジュニアの地方大会に出て断トツの優勝」
「そんなエリートがどうしてアイス・ダンスに?」
「つまんなかった。試合をしててワクワクしなかったんだ。そして、全日本ジュニア」
「あれ!?優、全日本ジュニアに出てたっけ?」
「俺がトイレに行っている間にシューズが消えた」
「それって…」
「面倒くさかったので、大会の人には『忘れた』って言った。手配してくれようとしたんだけど、『自分のミスだからいい』って断ったよ」
「な…そんな、ばかな」
顔を赤くして怒っているアヤメを優は優しい目で見た。
「観客席で大会を見たけど、面白くなかった。全日本ジュニアってもっとすごいと思ってたのに…」
「優って、どんだけすごいの?」
「ジャンプはすごい。スピンはまあまあ。スケーティングはへたっぴ。後で見せるよ。でも、全日本ジュニアにがっかりしたのは技術的なことじゃなくて、心を揺さぶるものがなかったんだよ」
「優にはそれがあるの?」
「それを目指している。あの日は練習に戻らず、会場近くをぶらついた。公園の誰もいないミニステージで女の子がラジカセかけて踊ってた。かっこよかった。とても楽しそうだった。見ていて、心が躍った」
「すごいじゃない。専用リンクを持ってるなんて」
「アキラ兄には感謝してるよ。好きなだけ滑ることができたんだから。吉村さんは俺の上達具合を見て、バッジテストの手配をしてくれた。バッジテストは問題なく通り、ジュニアの地方大会に出て断トツの優勝」
「そんなエリートがどうしてアイス・ダンスに?」
「つまんなかった。試合をしててワクワクしなかったんだ。そして、全日本ジュニア」
「あれ!?優、全日本ジュニアに出てたっけ?」
「俺がトイレに行っている間にシューズが消えた」
「それって…」
「面倒くさかったので、大会の人には『忘れた』って言った。手配してくれようとしたんだけど、『自分のミスだからいい』って断ったよ」
「な…そんな、ばかな」
顔を赤くして怒っているアヤメを優は優しい目で見た。
「観客席で大会を見たけど、面白くなかった。全日本ジュニアってもっとすごいと思ってたのに…」
「優って、どんだけすごいの?」
「ジャンプはすごい。スピンはまあまあ。スケーティングはへたっぴ。後で見せるよ。でも、全日本ジュニアにがっかりしたのは技術的なことじゃなくて、心を揺さぶるものがなかったんだよ」
「優にはそれがあるの?」
「それを目指している。あの日は練習に戻らず、会場近くをぶらついた。公園の誰もいないミニステージで女の子がラジカセかけて踊ってた。かっこよかった。とても楽しそうだった。見ていて、心が躍った」